塾の先生が我が子をイジメていたという話



 私の元には毎週のようにイジメ相談というものが入るが、先日のはかなり驚いた。

何故ならば加害者が中学受験塾の先生だったからだ。
 
 
 


 
被害者は当然ながら、その塾に通う児童(6年生♂)である。

 

イジメというのはやっかいなもので、そのことに親が気が付くのは事が相当、深刻になった後である。

いつも思うが、子どもはそれほどまでに「親に心配をかけたくない」と何事もないかのように振る舞うものなのだなぁと切なくなる。

 

このケースが露呈したのは小学校の担任の先生と交わされる交換日記からであった。

そこには毎週火曜日になると「塾に行きたくない」と書かれてあるそうで、担任の先生も

中学受験には治外法権とばかりに遠巻きに見ていたようなのだが、先週火曜日の日記に

「5年生のときから塾の先生に暴力を受けている」という趣旨の文章が載ったらしい。

 

それまで担任の先生は「塾の先生に相談ができるのはお家の人だけなの。だから、お父さんとお母さんにお家に帰って話してごらん」という返事を書いていたらしいのだが

その日は思い切って、その子の自宅に電話を入れたんだそうだ。

 

寝耳に水なのはその子の母だ。

5年生の頃から信頼して預けていた塾の先生からの受験まで2か月という段階での「裏切り行為」発覚である。

 

「叩かれたり、つねられたりしていた」という息子の告白にパニックになった。

しかも、目立ちにくい箇所を狙っての犯行である。

 

当然、急ぎ塾に急行する。

その先生はその母を見るなり、何故、顔面蒼白で息を切らしているのかを察知し、すぐに「熱が入り過ぎたため、行き過ぎた指導になった。申し訳ない」と言ったという。

 

母にとって他人から我が子が傷つけられることは一番の悲しみである。

 

その母は私にこう言った。

「ウチの子があまりにバカだから?バカだと問題が出来なかったら、つねられたり、叩かれたりするのを我慢しなくちゃいけないのかな? 一応、謝ったんだから、今更、転塾とかもできないよね?どうしたらいい?」

 
受験が絡むと母は何が最も重要なことなのかもわからなくなる。
 

中学受験で一番、必要なことは「勉強を嫌いにさせない」ということなのだ。

「解るって楽しい!」という知的好奇心の芽生えこそが子どもへの最大限のギフトになる。

 

 この話は受験本番まで、あと2か月という切羽詰まった段階での相談なので、私は順序をすっ飛ばして、私が信頼している、その塾の本部の偉いさんに丸投げした。

 

偉いさんの反応はさすがだった。

 

とりあえずの被害者母への詫びと状況確認→教室への真偽確認→被害者母への事実だということのフィードバックと善処の約束→拠点校長らとの対応協議→この対応策でどうかという母への提案。

 

それらを経て、私のところにも連絡をくださった。

この間、2時間かかっていないように思う。

 

「イジメ」で事がこんがらがってしまうのは初動に失敗することにある。

 

クレームを受ける側の学校なり、塾なりはフルスピードで取り組む必要があるのだ。

遅々とした対応を取ったならば、パニック状態から抜け出たあとに「怒りの炎」に包まれた被害者親の感情を逆なでするだけになる。
 

担任の先生からの電話から5時間後には一応の解決策を見出したその母は落ち着きを取り戻した。

塾本部が「(合格の)責任を持つ」と明言したからだ。

 

先生と名の付く方には「初動」の大切さを知ってほしい。

 

子育ての最中にはいろんなことがあるが「イジメ」はその子の未来を閉ざしかねないので、決して甘く考えてはいけないのだ。

 

私はいつか「イジメ」が発覚したときの対応策をまとめてみたいと思っているが、この件でもいろいろなことを学ばせてもらった。

 

親は基本「子どもの気持ちはわからない」ということを肝に銘じて、子育てをしなければならないということを頭に入れておかなければならない。

子育ては本当に難しい。

 

 

 

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