幸せな生き方


 身内の話で恐縮である。

 遠くで暮らすお姑(トメ)=傘寿 が「上等な肉を1切れ」所望するので

クリスマスプレゼントとして浅草今半の肉を贈ってみた。
 


「桐の箱入りだった!」と喜ぶ声に安堵したが、昨日もこの人は

こんなことを言っていた。

 

「湯船に入ってはいつも『ああ、幸せだなぁ、こんな幸せでありがたいなぁ』って

いつも手を合わせているの。最近は何をしていても、ああ、ありがたい、ありがたいって

思うことばかりよ」

 

嫁であるアタシは笑いながらこう返した。

「いやいや、それは昔から、お母さんがいつも口にしている言葉であって、今に

始まったことじゃない!」

 

お姑(トメ)は滅多に愚痴も吐かないし、人の悪口もこの30年、ほとんど聞いたことがない(全くないわけではないが繰り返しはしない)。

 

アタシが観察するに、それは日本人が培ってきた万(よろず)の神様への信仰が

あるような気がしてならない。

 

物には魂が宿っており、それに感謝しながら大切にしていくという気持ちが

ごく自然に息づいている。

 

お姑(トメ)は365日、読経から始まる朝を欠かしたことがないし、丁寧に

1日を過ごしている。

 

「信仰心は世界平和を崩す」という持論を持つ父母に育てられたアタシには

嫁ぎ先でこのような風景を垣間見ることは新鮮な驚きだった。

 

おかげで今でも「水神さんと天神さんにお供え物を(供えておいで)」と

命じられても、どれが天神さんなのかがわからない嫁で敷地の中を彷徨って

(←ド田舎すぎるんだよ!)呆れられている。

 

昔、なんで毎朝、毎朝、朝も早うからお経を唱えているのか?

そんなにご先祖様はお経を欲しがるものなのか?と聞いたことがあるが

お姑はこう言っていた。

 

「誰のためと言うよりも、結局、自分のためなのかもしれんね。

毎朝、こうしてお経を唱えることによって、自然と今日の一日を感謝して

過ごそうって気持ちになるからね」

 

お姑は今のアタシの年にはとっくの昔に未亡人で、思春期にぶつかっていた

息子たちを扱うのに困ったこともあっただろうと今になって想像している。

 

前に、亡くなった義理父(お姑のダンナ)の話を一緒にしていたときに

自分が死んで、お父さんと極楽浄土の入り口で再会できたときに

お父さんに褒めてもらいたいって言っていたことがあった。

 

「よくひとりで頑張ってきたなぁ。偉かったなぁ」って言ってほしいんだそうだ。

 

アタシがダンナの悪口をお姑に訴えると、お姑は必ず、こう返す。

「ケンカができるのも、相手がそばにいてくれるおかげやでね、ケンカできる

のも結構、結構」

 

この人は深い涙をこころの奥底にしまって、それを超えて生きて来たんだなぁと

感じると、その働く手を見ては泣きそうになる。

 

最近、ヨガのイケメン先生に聞いた話だが「熱愛カップル」という話も

面白かった。

 

「熱愛カップルというふたりはその気持ちが最高潮に盛り上がっているときは

幸せと感じるものなのであるが、得てして、その気持ちは続かない。

その理由に相手の尺度で見ていることがある」というものだった。

 

「幸せが相手の対応次第で変わってしまいがちになる。

それは相手に寄りかかっている証拠で、自分の幸せを相手に委ねているから

不満が出るのだ」

 

「幸せは自分で感じるものである。

ヨガでは、自分が心地良いと思う瞬間はどのような状態のときなのかを

知る時間でもあるので、その心地良さを感じましょう」というものである。

 

幸せを感じる能力が「自分発信」であることが第一定義になるが、ごく自然に

ポリアンナになれたならば人はそれだけで幸せなんだなと思う。

 

こういう前向きな感謝が好循環をもたらすんだなぁといろんなお悩みメールを

見てはいつもそう思う。

 

「誰かが○○してくれない」から自分は不幸であると不幸を数え出すのが

趣味である実母と「私はこれもできる、あれもできる。こんな幸せなことが

あるだろうか?」と問いかけるお姑。

 

アタシは多分、今、ふたりの年寄りに人生で必要なことは何なのかを

一番近くでダイレクトに教えてもらっているのだ。

 

 

 

 

コメント

  1. すてきなお姑様ですね。
    あこがれます。
    私には男の子の子供しかいなくて、将来姑になるかもしれないわけですが、こんな姑になりたいな。
    いつもタイムリーな話題をありがとう。
    親がハッピーでいることは、子供にとってもハッピーなのかも・・。
    今、小六の受験真っ只中ですが、受験できること自体が奇跡的にありがたいこと。
    クリスマスに、とてもじんわりとあったかいきもちになりました。

    返信削除
    返信
    1. 匿名さま
      素敵な話として綴ったけど、当然、嫁VS姑って話も腐るほど
      あります(笑)
      最近はお互いに諦めたって感じで(笑)
      子どもにとって一番必要なのは「安心できる家庭」なんだろうなって
      感じています。
      お母さんが笑顔でいればいるほど、子どもは安定していきます。

      本当に受験できるのは親族の誰もが健康で、ある程度、お金があって
      恵まれた環境ということを示すので、ありがたいことですよね。

      これを感じられたということだけでも神様からの素晴らしい
      贈り物ですよね。

      匿名ちゃんはとっても素敵なママですね。
      自信持って、本番を迎えてくださいね。
      笑顔の春を祈っているからね!

      削除

コメントを投稿