そして今日もへいこら謝るのであった


 老人ホームよりお呼び出しである。

罪状は「鎮痛薬中毒」。
 


ナースがおっしゃるにはリハビリで運動療法士付きでお散歩に出るのは

いいが、そのせいで腰が痛くなり、夜中に鎮痛薬を所望する騒ぎになるのでは?

 

鎮痛薬を手放せない程、飲むくらいなら、お散歩を控えた方が良いのではないか?

 

というご相談とも逆クレームともつかない話である。

 

ロキソニンが手放せないのも事実だし、それがもしかして徐々に効かなく

なってきているのでは?疑惑はある。

 

ナースにしたら、毎度、夜中に電話で介護士さんから相談を受けるのだろうから

「勘弁してくれよ!」って思うのもわかる(ナースは日勤なのだ)。

 

「お散歩を止めたら、自力歩行ができなくなる!」と強硬姿勢を崩さない母。

 

ナースも一歩も引かない。

 

運動しなくても死にはしないが、本人が2本の足で歩きたいと言っている以上

それを止めさせるのもどうかと思うし、ナースの言っていることもわかる。

 

しかし、アタシはここいらあたりで目一杯めんどくさくなる。

 

薬が死ぬほど好きなのだから、仕方ないのだ。

薬で死ねたら本望だろう。

 

結局、医者に丸投げした。

ドクターがお散歩はダメと言ったら止める。

ロキソニンも上限の許容量を確認するってことでやっとアタシは解放された。

 

やれやれ、謝り通すのも楽じゃない。

そう思っていたら、またしても本日、お呼び出し。

「たらこ事件」発生である。

 

母がものすごい偏食だということを私たちきょうだいは最近(と言っても

8年ほど前)知ったのだが、かなりの食物が嫌いである。

 

数少ない好きなものに「たらこ」があるのだが、ホームでは塩分を

気にしてか、食卓には上らない。

 

それで時々、母の好む上物を見たときに差し入れしている。

 

先週の週末、見舞ったときに「冷蔵庫に入れておくからね」と言って

帰ったが、どこを探してもない!と言っていた。

 

そうしたら今週になって発掘されたらしく、それを食べようと楽しみに

したところ、ケアマネに取り上げられて大喧嘩になった罪で娘、お呼び出し。

 

「お母様は賞味期限切れのものを召し上がると言ってきかないんです!

もしお腹でも壊されたらこちらの責任になりますから、お嬢さん、こちらは

処分でいいですね?」

 

新しい同じのをすぐに買ってくるから!って遠すぎるわ!

たらこは諦めろ!

 

と母に言ったが「絶対に大丈夫なのに!ケアマネが捨てる、捨てると

うるさいのよ!絶対に捨てさせないわよ!」とお怒りだ。

 

もうアタシはここいらあたりで目一杯めんどくさい。

 

もう、たらこに当たって死んでもいいですから。

もう二度とたらこは見たくないってくらい食べさせてやってください。

 

もう、お願いですから、アタシに一々、了解を取るために呼び出さないで

ください。

 

と本音が出かかったが、埒があかないので折衷案で逃げる。

 

今夜の夕食だけということで「電子レンジにかけてから食べる」。

夕食が終わったら残りは廃棄処分。どうだ、これで?

 

ケアマネからも母からも猛クレームだ。

 

しかし、今回はご利用者さまのご家族さま(アタシ)が全責任を持つと

言ったので、母はたらこにありつけた。

 

責任者ということでしばらく様子を見届けていたが

「こんなとこでボーッと突っ立ってないで、早く帰って旦那さんのごはん

作りなさいよ!何してんのよ!」

とたらこ婆さんがおっしゃる。

 

はいはい。早く帰ってごはん作りますよ。

この時間だと渋滞で家まで1時間はかかりますけどね。

 

ケアマネに平身低頭で謝りながら、ホームを後にした。

 

もう、婆ァはたらこにまみれて溺れてしまえ〜〜〜!

 

 

 

 

 

 

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