揺れる男子と「茅ケ崎物語」


 今、絶賛公開中の映画「茅ケ崎物語」。

 

http://tales-of-chigasaki.com/  ←「茅ケ崎物語」公式サイト

 

観て参りましたよ。
 
 
 
いや、これはね、地元愛炸裂の話なんで、サザンか茅ケ崎に

個人的な愛を持っていない人には「なんじゃ、こりゃ?」なんですが

 

中村八大、平尾昌晃、加山雄三、尾崎紀世彦、ブレッド&バター

そして桑田佳祐(+野口聡一 +開高健)の遺産?で食っている

せっまい田舎町なんでね

 

「おらが町」のスター様がフィルムになっているだけで

大騒ぎです。

 

あ、神木隆之介、野村周平、賀来賢人という売れっ子若手俳優も

桑田さんの青春時代を演じているので、彼らのファンには

また違った意味で美味しい作りになっております。

 

ここから、ちょっとネタバレになります。
 
 
☆☆☆ 

 

桑田さんの初ライブが桑田さんが高3の時に県立鎌倉高校で

開かれたってことのドキュメンタリー?タッチのものなんですが

 

皆さんもよっくご存知のように彼は男子校の鎌倉学園出身

なんですね。

 

「桑田、お前、ギターやってるんだって? バンド組んでるなら

俺の学校でライブやらない?」っていう、知る人ぞ知る

サザンの名付け親 宮治淳一さんの誘いに、

桑田さんはこう返すわけです。

 

「宮治の学校って共学だよな?

出る!出る!出るーーーー!!!」

 

実はその時、バンドも結成していなかったということで

実のお姉さん えり子さん(「いとしのエリー」のモデル)に

「まだ、組んでもなかったんかーい!?」ってはたかれるという

オチ付きなんです。

 

ま、桑田さんが男子校に行って、女を渇望していなければ

バンドも生まれず、従って、今、ライブで魅せてくださるような

松茸とアワビの巨大神輿のような「不埒な文化」(BY中沢新一さん)は

見られなかったかもしれないです。

 

つまりね、中沢さん(人類学者)によると、日本人は海から上陸

したことで、海に対する信仰があり、海に生きる民には

女性と男性を祝うような(夫婦岩を崇めるみたいな信仰)祭りが

あり、それはとてもエロチックな不埒なものだっていう

解釈があるんですね。

 

神輿を揺らす、神輿の音を鳴らすってことも揺らぎが

エロスに通じるものがあるって解釈で、不埒万歳!みたいな

ことが高尚に語られるんですが

 

私の解釈ですと、人間というものは「阿波踊り的生き方」の方が

充実して楽しい人生になる。求めよ、エクスタシー!って

ことだと理解したんです。

 

まあ、茅ケ崎はそういう人で溢れるんでね

桑田さんが体現しているってことになるのかもしれないですね。

 

映画のレポートは専門家の方々にお任せするんですが

私は今日は「愛すべき男子の育て方」ってテーマで綴りたいです。

 

今、新学期が始まって、丁度ね、季節的に学校生活が合わず

保健室登校、或いは不登校になっている子を持つ母たちから

沢山、メールが舞い込んでいます。

 

男の子の場合ね、やっぱ母はパニックになる率が高いんですよ。

 

心の中で「一人前」にしなければならない!っていう呪縛が

女の子母よりも強いからだと思います。

 

ジェンダーの恐怖ってやつですよね。

男女の役割分担で「男たるもの!」って意識が強くなっちゃう

のだと思われます。

 

でね、母はずっと言い続けるわけです。

 

「靴下を脱ぎっぱなしにしない!」

「宿題、出てるんでしょう?」

「明日から試験じゃないの?」

「このままじゃ大学行けないよ?」

「良い暮らし、できないよ?」

「一生、非正規だよ?」

 

そして

「なんで、やらないの?」

「なんで?なんで?どうして?どうして?」って

 

息子を目に映すたびに言い続けるんですね。

 

そして、ある日「りんこさん、息子が壊れた!!」って

言ってくる。

 

この映画にね、母は出て来ません。

 

宮治さんはベッドの上でずっとずっとレコードを

聴きまくっているし(結局、それが生涯の仕事になったし)

 

桑田さんはどっちか言えば、女の事しか考えてなく

口説くたびに振られているし

 

間違いなく、その経験が今の偉大なる功績を作っているし

 

生活のほとんど全てがくだらないことのオンパレードなんですよ。

 

そこに親が一切、介入していないんですね。

 

多分、昔の事なので、親御さんも生活に追われ、息子のことは

テキトーに流し、息子は息子で親の存在も忘れってことでしょう。

 

中高一貫校に入れたならば、基本、高校受験がないですよね。

 

だったら、尚更です。

 

くだらないことを目一杯やりこむ時間を奪わないであげてください。

 

私が本当に気に入っている話をご紹介しますね。

 

息子の中高の悪い時代のOBに聞いた話ですが

クラスでトイレにどれだけの人数が入れるのかを競うことに

夢中になって、全員でそれだけを考えていた時代が懐かしいとか

 

屋上から上履きをただ投げるってだけの行為に夢中になった

時代が懐かしいとか、そういう話なんですが

 

これって、私が息子が補習に呼ばれたのに、バックレて

屋上で畏れ多くも特進組と大ゲーム大会をしていたという

咎により呼び出しをくらったという話に悩みまくり

 

おっさんOBたちに相談した時に出た話なんです。

 

おっさんOBたちは「さすが、俺らのDNAは消えていない!」

とか、なんとか言って「りんこ、育て方、間違えるなよ!」って

言い残し、消えたんですが

 

その時はあまりよくわからなかったんですが

「おめ~は邪魔すんな!」ってことだったと思います。

 

「正しい成長なんだよ、それが男としての」って言われたんです。

 

私ね、この映画を観て、改めて、この話を思い出しました。

 

くだらないことを正々堂々とやり続けるってことが

出来る時間は限られていて、でも、それがないと正しい大人に

なれないんですよね。

 

映画では宮治さんが「インプットばかりしている」(内に籠っている)

ことを揶揄され「自分のアウトプットはなんだ?」ということに

悩み苦しむシーンが出てきます。

 

桑田さんのようにスターダムに乗った、一見、日の当たる道を

選んだ人の孤独と苦しみも、当然あるでしょうが

 

宮治さんのように自分自身の作品を発表することよりも

自分の耳に聴こえた世界のアーティストを紹介することで

社会貢献をする道を選ぶ人もいて

 

主役に回る人と裏方に回る人、その両方の存在、どちらの

人生も輝くってことも語っている映像になっています。

 

息子さんのアウトプットを決めるのは息子さんです。

 

でも、吐き出すためにはインプットは必須です。

 

どうか、インプットをする正しい時間をどうでもいいことで

奪わないでください。

 

「成績がどうの、単語のひとつでも覚えなさい、勉強しなさい」

 

意味がないです。

 

青春は泥臭くて、鈍くさくて、汚くて、ずるくて、最低な

ものなんですよ。

 

でも、この母から見ると最低な時間が偉大なアーティスト

たちを育んでいくことも忘れないでくださいね。

 

もし悩んでいる母がいるとしたら、今日の話

ゆっくりと考えてみる時間を取ってほしいなって

思っています。

 

  

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