うどんこ先生のガンガン日誌 第13話 リハビリ



 手術した翌日の夕方、主治医と看護師がやってきた。


 

「うどんこさぁん、さぁ、歩く練習を し・ま・し・ょ・う!!」

 

言い訳なんかさせないから!という威圧感が、津波のように

押し寄せて来た。

 

だって、さっきICUから病室に戻ってきたばかりじゃん?

 

患者を間違えているのでは? 念のために聞いてみた。

 

「もう、歩くんですか?まだ、起き上がることも出来ないんですけど?」

 

時計を見たら、午後4時。ICUから戻って、まだ6時間しか経っていない。

 

「ベッドから起き上がる練習は手術前にしていたでしょ?ふふふっ」

 

と看護師。

 

・・・こうして、根性ドラマのような特訓が始まりました。

 



そのおかげだろう。

家に帰ってきてから2週間もすると普通に歩けるようになった。

 

1日に5キロを歩くノルマを勝手に作って、雨の日も風の日も

台風の日を除いて、東海道五十三次の距離を8月末までに

歩くことが出来た。

 

見事に両足のふくらはぎの筋肉が復活した。

 

退院して1ヶ月ほど経った頃、ようやく手術跡(きず口)が

落ち着いたようだ。

 

でも、全身の筋肉が削げ落ちていたので、どこかで筋トレができる所は…

と、探していたら、市立の体育館に指導員がいて、という

なんちゃら情報を入手。

 

まずは見学に行ってみよう!ということで、出かけてみた。

 

市役所の管轄らしいが、みんな赤いポロシャツを着ている。

 

優しそうな「オバお姉さん」に説明を受けてから、翌日のお昼過ぎに

デビュー戦を飾ることとなった。

 

色々な筋トレメニューの中で、ランニングマシンが一番のお気に入りとなった。

 

デビュー当初はなんと「時速2キロ」のベルトの速さについていけなかった。

 

それが、いつの間にか「時速6キロ」に設定して30分歩く が普通に

出来るように!

 

4か月程経ったある日、慣れて来たので、ひょいひょいとボタンを操作したら

何をトチ狂ったのか、マシンが「時速10キロ」で動き出した。

 

いつもはタイマーで自動に動作が終わるので、機械任せ。

そのため「ストップの方法」を知らなかった。

 

・・・焦った・・・

 

ジタバタ走って、3分近く。

ようやくスピードを遅く出来て、事なきを得た。

 

でも、少し走れたことに、自信と自慢ができるような気がした場面であった。

 

10回くらい通う内に、平日の常連さんの顔を覚えてきた。

 

誰とでも気さくに話す「きのこのオバさん」(マシュルーム・カット)や

 

「うっうっう~っ」と呼吸を止めてマシンと闘う「うぅぅ~のオジさん」。

 

そして、目を惹いたのは「上下白のウェアのおじいちゃん」(礼儀正しい)。

 

一礼して体育館を出て行く。

 

素敵でした。

 

あんな風に年齢を重ねていきたいという目標ができた場所でした。

 

筋トレマシンは体の部位に合わせて負荷をかける仕組みになっている。

 

「背中」や「太もも」などはイイ感じでマシンと仲良くなれたが

 

「腹筋」だけは、傷口が裂けてしまいそうで、好きになれなかった。

 

調子に乗って、バランスボールに仰向けになって乗ると、

とんでもないことになることがわかった。

 

この筋トレ体育館、趣味になっていくのかなぁ~。

 

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