学校探訪記「高輪学園」


                                                                      2018年年頭より、ずっと取材♪

 

 「私、生まれも育ちも東京港区高輪です。姓は高輪、名は学園、

人呼んで温泉の寅と発します」

なんちゃって、丸パクリ・・・。出だしから、色んな人に怒られそうだが
 
 
 

 

「絶対、行く!」(←そもそも、呼ばれてないんだが、呼ばれてなくても

行きたいとこには、人呼んで「押しかけ女房・りんこ」さね)と超我がままを

ぶっこんで、行ってきましたよ、高輪学園。

 

はい、みんな、ご存知「THE ぬるま湯」印の学園ね。

(注:温泉印が付いている学園は全国に何校かあるんだけど

ここもミシュランガイド的には「☆みっつ~!」みたいな格付け扱いね)

 

もうね~、アタシ、ここ大好きなの!!

これから、しつこいほど、アタシが高輪を愛する理由を語って差し上げてよ。

さぁ、みんな、湯当たりしなさい~!(←アタシ、何様!?)

 

なんで、好きかって言うとね、まあ一言でまとめちゃうと「あったかいのよぉ~」

(だから温泉表示が付いてるのよ)。ホント、惚れるわ。

 

おっとり系お坊ちゃまは是非、いらっしゃい(あたしゃ、気付いたんだが

「アタシは《お坊ちゃま》がお好き♪」なわけだね~(喜))

 

りんこ的表現をするならば、草食系男子を通り超えて、草食動物に喰われそうな

勢いの「草男」の学校なんだけどさ(←いや、褒めてるんだって!)


 先生方にこれを言ったら、全員、爆笑してるんだよね。
 

「動物、通り超えて、草ってか!?www



  
特に校長先生(もう、この坂本校長が毎回、泣けるんだよ。素晴らしい先生!)が

大笑いしながら、アタシにこう言うんだよね。

 

「温泉表示は構わない(笑)。誰に何て言われても、気にならないです。

ウチはウチだから。草食系坊ちゃんって言われてるなら、それでいい。

でもね、りんこさん、僕らはね、全教職員一同でこう思ってるんです。

イザという時にキチッと(愛する)人を守れる男になれ

ってね。

だから、そういう教育をしています」

 

実際ね、こっから超長い、校長の生徒自慢が始まったんだけど、軽く紹介すると

 

「誰それ君が人命救助をしたにもかかわらず、彼は誰にも報告をしなかった為

後日、お上から表彰の話が校長室に来て、びっくらこいた。
 

当然のことをしたまでだから、特に言う必要を感じなかったってその生徒が

言ったんだけど、自慢しないんだよなぁ…。だから、こっちもサラッと

「褒めて」終わりにしたんだが、さすがウチの子だと思うから、

今、自慢するね」とか

 
まあ、この手の「誰それ君が」って話が出るわ、出るで、人の自慢話を聞くと

段々、ムカついてくる性癖のアタシはこれ以上は書かない
 
(性格悪くて、御免遊ばせ♪)。
 
 
               ↑ 喧嘩じゃなくてじゃれ合いです

 

まあね、先生たちが本当に口を揃えて言うのは、このフレーズだったわけよ。

 

「(ウチの子たちは)やる時はやる!」

 

「ぬるま湯」って書いたから、もしかしたら「勉強とかも殆どしなくて

遊び呆けてる学校」かと勘違いする方が出ると困るから、言っとくけど

「なわけねっし!」

 

勉強も行事も部活も、やっぱ私学だからさ、それは本当にキチッとやっているし

やらせているんだけど、雰囲気が柔らかいって言うの? 

何をやるにしても、まろやかさがあるんだよね。

 

「女の子は現実的だけど、野郎はね、何て言うか、広いんですよ。

人間は、具体的に何になりたいとか、決められたらいいけど、野郎は特に

興味が広がっちゃうから、決められないのが男ですよね~。

 

そこを(女オバサンであるりんこに)分って欲しいんですけど、

目標を持つのは当然、素晴らしいことだけど、中高の内に
 
『僕は将来、〇〇になる!』って全員が全員、決められないです。


 

それって、大学に入ったり、或いはもっと年を取って、いろんなことを

感じて、いろんなことに巡り合って、やっと決められるんじゃないですかね?

人生はそういうものだし、それでいいと思っているんです。

 
だからこそ、若い時に身に着けとかなければいけない力がある。

ウチが欲しいのは《柔軟性》なんです。

 

今からは特に、時代が目まぐるしいスピードで変わる。その時に

どんな時代が来ても良いように《対応できる力》を付けさせて卒業させる

ことが、中高教育の役割だと思っています。

 
そのためにね、基礎力と精神力は鍛えないといけない」

 

って言うのが校長見解なわけ。

 

具体的に言うとね、基礎知識があってこその、思考力・判断力だから

まずは《基礎》ってことで、中1・中2に対しては、過保護なくらい、基礎を

教え込んでいるんだよね(特に英数国ね)。

 

それで、徐々に手綱を緩めていくイメージになるんだけど

 

猿山の集団に対しては以下の3項目を重要視している学校なの。

 

1 時間を守れ

2 礼を正せ(挨拶しろってことが大きい)

3 体も含め、場を清める

 

実際、校長に「そこに空き缶が落ちてたら?」ってお題を出したら

こう即答されたから、笑ってしまった。

 

「それはもう、全員で拾え!(笑)」
 
 
                    ↑「ダーツ部」です

 

「チュー坊は猿である」というコンセンサスが教師陣にあるからさ

一日のスケジュールに合わせて、まず寝る時間を設定し、睡眠第一にして

そこから、基本的生活習慣をつけさせるんだって。

 

1・中2は“やらされ感”があるけど、作ってあげるべきベースは必要だから

この時期はすごくうるさく言うんだと。

それで、段々と教師陣は見守り体勢に入って「自分でやれ」っていう指導方針に

移るみたいなんだけど

 

ある先生が

 

「以前、高3にもなって『先生~、課題出して下さいよ~!』って言ってきたから

『ふざけんじゃねーっ!!』ってなって(笑)

もしかして、手を掛け過ぎてる?疑惑が起きて、反省してるんですよ。

 
自分ら、めんどうみ、良すぎじゃね?って。

与えられたものをこなすだけっていう高校生にはなって欲しくないんですよ」

 

と、おっしゃっていたのが印象的だった。

 

教師陣が子どもたちをすごく可愛がっているのがわかるので

手塩にかけて育てたチュー坊を全員、自学自習的に自立させていくことが

課題と言えば課題なのかもしれないね。

 

先生方にどういう子に入って欲しいの?って聞いたら、口々にこうおっしゃる。

 

「それ聞かれても困る(笑)。ウチは夢も希望もなく入って来たとしても

6年間で何を感じて、どう成長するかだけが見てるポイントだから、個々に

手を変え、品を変え、対応してる。
 
 
だってさ、りんこさん、入った来た子は全員、縁があるから、

全員、育てる!」


 

皆さん、どうよ!?

湯当たり、してきた?(笑)

 

坂本校長と仲良し教師陣の話

 

 ここの良い所はね、みんながすっごい仲良しなの。

色んな学校を見てきたけど、ここはいつ行っても、なんだろうね

ピリピリ感がないんだよね、生徒同士もそうだけど、生徒と先生、

管理職と平教員との間柄ひとつとっても、やわらかいの。

 

多分ね、それはこの学校の成り立ちがそうだからなのかな?って思っているんだが

 
                 ↑ 泉岳寺の山門はこれ
 

泉岳寺の山門をくぐるから、泉岳寺の付設学校のような抹香臭いイメージが

付いちゃうけど、全く関係ない。

ただのお隣さんだ(従って47士の強制墓参りなどもない)。

 

アッ、余談だが校内には吉良上野介の首洗いの井戸があるらしいけど、関東大震災で

埋もれてしまい、今はツツジが植わっているんだそうな。
 
 
          ↑ この紫陽花の左あたりらしいよ「首洗い井戸」は    

 

もっと余談だけど、建て替え前の旧校舎時代は「出る!」って噂があったと

校長先生が楽しそうに、広報の先生に言うのよ。

 

「だって、ここらは寺(=墓付き)が多いからね~(笑)」

 
広報の先生が、その時に「止めろ!校長!そんなこと言うな!!」


「日直で暗くなってから校舎を見回りに行く身にもなってくれ!」と絶叫してて、

アタシはお腹を抱えて笑っていたんだな。

 

元々は京都西本願寺が建てた学校なんだけど、どうも100年以上前に
 
ケンカ別れをして、坊さんだけが京都に帰ったんだとみる(りんこ調べ)。

 

それからは純粋に残った先生方によって大切に育まれてきた学校であるので、

創設133年経った今でも、宗教もなければ、オーナーもおらず、

バックの組織もなく、それゆえ理事長、学校長共に代々、学校生え抜き

(要はここで平教員からスタート)の先生がトップに就いていることが

特徴と言えば特徴である。

 

何が言いたいかと言えば、この学校は生徒の父兄からの納入金とお上からの

学校補助金のみで成り立っているので「人を財産」にするしかないんだな。


 

つまり「入って来た生徒を教員全員で大切に預かる」という意志統一がなければ、

簡単におまんま食い上げになってしまう危険性を孕んでいる。

 

それなのに100年以上も都心の一等地に存在し続けているというのは、実は

知る人ぞ知る的な「隠れ家学校」だからなのだ。
 
(但し、中学募集再開は100周年のときより)更に書き添えると、
 
高輪は日本の中でも超一等地だけど、PTAの懇親会も

700円のお弁当で、校内でどうぞっていうお地味さ加減なのが、最高、良くない?

 

誰の持ち物でもない学校なので、教員が集まって話し合って作ってきた学校で、
 
ある意味、「自然体」。決まりはないけれども
 
「(臨機応変に)そういうときにはこうしようや」っていう
 
フットワークが軽い学校で、こういうところもアタシはすごく好きなんだなぁ。

 

実際、アタシが「遊びに行く!」って言った時も「お?いいね、来いや」だった。
 
 
             ↑何故か、昼休みに窓ふきを始める学年主任

 

その空気の一端をちょっと紹介するね。

 

一般人の先生と本来ならば雲上人であろう校長の会話を聞いていたけど

こんな感じ。

 

3担当の先生が校長室にいきなり、こう言いながら現れるわけ。

 

「(校長!)暇でしょ?」(原文まま)

 

そしたらね、器のデカい人は受け答えが違うね。

 

「そうだよ」って言うんだよ(笑)。

 

話の内容は大抵、校長への直訴案件らしいけど、例えば、こんな話らしい。

 

「暇なんだったら、生徒の推薦入試の面接練習をやってよ」っていう

教員からの指令が来るんだって。

 

それで生徒とご対面した校長が
 
「何の練習もさせずに、いきなり生徒を寄越すな!」って

文句を言ったら
 
「いやいや、いきなりやることに(緊張の)意味がある!」みたいに

教師陣に丸め込まれて、今や若手教員は面接練習は「校長のお仕事」と信じていて

「え?面接練習は校長がやってくれるんじゃないの?」ってノリなんだと。

 

校長先生、暇なわけないんだけど、そういう風に校内が循環してるんだよね。

 

実際、生徒の情報は細かく校長に上げられていて、

誰それ君が“突き指”(自爆)したってことも、学校トップが当日に把握している。

 

それでね、坂本校長先生にアタシは聞いたのよ。

 

「で?校長って何やってるの?」って(←超失礼ですわ~)。

 

そしたらね、校長先生、笑顔でこうおっしゃった。

 

「責任を取るためにおります」って。

 

坂本校長は愛妻家であられるので、奥様との愛らしいお話もちょいちょい

聞かせてくださるんだけど、その時はこんな風にお話しくださった。

 

「女房との一日の会話の終わりが『今日は無事?良かったわね』なんですよ。

 

生徒たちが今日も無事で過ごして、目には見えないけれど、一日一日

それぞれに成長していって、そうやって卒業して、何年か経った時に

『先生!』って顔を出してくれることが本当に嬉しい事。それが僕の幸せですね」

 

これはアタシが「先生は幸せ?」って聞いたときのお返事ね。
 
 
       ↑ 高輪って楽しいよ~♪

 

坂本先生はお会いするたびに、沁みるようなお話をしてくださるんだけど

今回、こういう話をしてくださったから、涙腺が変になった。

 

アタシがね「先生、読者の方から『育て方を間違えた』って相談が入ることが

多いんですけど、親が子育てに悩んだ時はどうしたらいいんですかね…?」

って聞いたのよ。ほれ、アタシも悩んだクチだからね。

 

そしたら、先生は穏やかに、そして包み込むようにこうおっしゃったんだよね。

 

そういう時はね、子どもを横で比べるのではなく、縦で見てくださいね」って。

 

つまりね、こういうこと。

偏差値とか、同級生とかの横で比べるのではなく、1年前の息子と今の息子。

我が子自身の縦のラインでどれだけ成長しているのか、そこを見ようよってこと。

 

親って、単純だから、子どもが成長したなって思えることが最大の幸せなのだから

そこだけを見て行けば間違えない。

理想に合わないからって、愛せなくなるなんて、それは不幸ですよねって。

 

「悩んだら、横でなく、縦で見ろ」

 

こういうことを静かに、沁み入るように話してくださるから、やっぱり、この学校は

ただの仲良しグループ以上に深い学び舎だよなぁって、いつ行っても、そう思う。

 

高輪の真の実力をここで見る

 

 この学校、後述するけど、入学時の偏差値から見ると大学実績は中々、魅力的。

 

「ぬるい?うん、ビシバシはしないよね。居心地良いって、よく言われるし

僕ら教員たちは“のびしろ”ってことを重視しているし、少なくとも、進路の

押し付けはしない。

でも、生徒が行きたいところには行かせられる自負はあるから!」って
 

先生たちがおっしゃる。

 

確かに中学時代から有名大学を目指してどうこうしろ!なんて教育は

していないし、各種行事を組み立てていく中で、受験が見えて来て

生徒たちがギアを上げる瞬間がくるんだって。

 

おもろかったのは、昨年の10月半ばの高3の校外学習、担任の発案で

お台場でBBQをしたんだと。受験に向けての決起集会も兼ねたらしく

「あれはすごく良かった!」って教師が胸を張っていた(笑)。

そりゃ、そうだろ(笑)。


↑ お弁当は最高です!
 

それでね、アタシはこちらの沢山おられるご優秀な生徒さん方はほっといても

大丈夫だから、それこそ、紆余曲折を辿った生徒の話をしろや!って

学校に迫ったのよ。

 

そしたらね、まぁ、色んな子の話がその場でうじゃうじゃ出てくる。

 

生徒は全員、思春期だからさ、大抵、紆余曲折なんだけど

アタシは今回、ある子にすっごい興味が湧いて、その場で食い付いたわけ。

 

そしたら、先生が「そんなに興味があるなら、直接、話せば?」って

言ってくださり(数年前の卒業生とすぐに学校が連絡を取れるって、すごくない?)

 

結果、アタシはなんとその21歳の大学生を捕獲することに成功し、

ある日、二人きりで飲んだのさ~♪(大学生には苦痛なお時間で本当に申し訳ない)

 

アタシはいつも深海児のことを話すけど、今回はね、不登校児の話な。

結論を先言えば、彼は凄かった。ちょっと震えた。

 

彼は母親主導の中学受験で、反発こそしなかったものの、自ら望んで

中学受験を行ったのではないそうだ。

 

高輪第一志望で、東海大浦安、青陵と受け、高輪に進学を決める。

小学校生活もとても楽しく、ここまでは何の問題もない子だったのだ。

 

ところが、中1の秋から、彼は学校に行けなくなる。

いわゆる不登校に陥ってしまうのだ。

 

ここから、彼とりんこの一問一答をお伝えしたい。

 

りんこ「中1の途中から不登校になったって聞いたけど、原因は何だった?」

 

彼「具体的なきっかけとしては、秋頃に席替えが行われ、その後

  隣の席の生徒からからかいやちょっかい(ノートに落書きされる、軽く

押されたりする)を受け、更に数人から、ちょっとしたからかいを受けた

ことでした。

 

今、思えば、その程度のことで不登校に陥るほどのことではないと

思いますが、自分でも嫌な気持ちは相手に伝えていたのですが、うまくいかず

それが嫌で休みがちになり、ある日、朝起きることが出来なくなりました。

 

小学校の時の楽しさと現状の楽しくないという状況を比較していたのも

原因としてあるかもしれません」

 

りんこ「中1秋から中2はずっと不登校時代って聞いているんだけど

    当時、お家では何をやって、どういう気持ちで過ごしてたの?」

 

彼「家ではゲームやPC、テレビを見るなどして、ダラダラ過ごしていました。

  焦りとか不安は特になくて、どこか夏休みのようなダラけた気持ちで

  休んでいたように思います」
 
 
               ↑ 昼休みは追いかけっこします!

 

りんこ「ご両親のその時の様子はどんなだった?」

 

彼「両親は相当、苦労していたと思いますが、敢えて、不登校には触れず

 以前と変わらず接してくれていました。また反抗期というのも、すごくあった

わけではないので、親とは良好な関係でした。

 

不登校問題に対して、特別話し合うこともせず、自分へは温かく見守って

いてくれたような気がします。

 

一度だけ、ちょっとしたことから母親と言い合いになり、悲しませてしまった

ことが記憶に残っています」

 

りんこ「不登校時代は18カ月だったじゃん? その間、学校の先生とか

    友人とはどんなコンタクトを取っていたの?」

 

彼「担任の先生は中学3年間変わらなかったんですが、メールを介して

  連絡を取ることもありました。

  友人でメールで連絡をしてくれる人もいたのですが、気まずさ故、返事を

  書くことはできませんでした。

 

  友人とは殆ど連絡を取ることはなく、先生方とのみ関わる生活でした。

  勉強に関しては、完全に後回しでした」

 

りんこ「当時、焦りを感じたことはあったの?」

 

彼 「う~ん、はっきりとは覚えていないんですが、焦りは感じていなかったと

   思います。

   今、思えば、単純に『学校生活から逃れて休みたい』という気持ちが

   大きかったです。嫌いなヤツと会うのがめんどくさかったんです。

   

焦りの前に休みたいって気持ちのが強くて、焦るまでは考えられなかったです。

 

   ただ、中高一貫の為、このまま高校に上がれるかのか?とか、高額な

授業料が無駄になっていることへの申し訳なさは感じていた記憶があります」

 

りんこ「中3に進級した段階で、別室登校が出来るようになったじゃない?

    それって何か、きっかけがあったの?」

 

彼 「中110月から中2の初めはずっと家にいて、それから、週に1回から

2回は保健室登校をするようになりました。

 

11学期にある部活に入ってたんですが、その顧問の先生が

楽しいから、部活だけおいでよ~」って誘ってくださって

そういうこともあって、部活にだけとか、保健室にだけってことは

出来るようになったんですが、正直、これ!ってきっかけは

思い出せません」 

 

りんこ「その後、時々でも教室復帰を果たすじゃない? その頃のことを

    教えて」

 

彼「担任の先生には信頼を寄せていたので、何でも相談できました。

  何があっても受け入れてくださって、先生も実際、色んな提案を

  してくださっていました。

  なので、毎日、学校に行けなくても、メールで近況を伝えていました。

  

  担任の先生(英)が先生の空き時間に保健室に来て勉強を

  教えてくれていましたしその他の先生(数)も来てくださって、

  自分だけのために教えてくれていました。

 

  スクールカウンセラーの先生も教科の先生方とはまた違う角度から

  サポートして下さり、担任の先生との間を取り持ってくれていました。

 

  すべての先生が無理強いをせず『焦らなくていいよ』が合言葉で(笑)」
 
 
             ↑ 遊び過ぎて疲れたそうです

 

りんこ「そうなのかぁ…。それで教室復帰をするわけだけど、ハードル高いでしょ?

    どんな形で戻っていけたの?」

 

彼「担任の先生が『保健室での授業もいいけど、一回、俺の授業だけ皆と混ざって

  受けてみない?』って提案してくれた事があって『じゃ、先生の授業だけ

受けてみようかな…』って思ったのがきっかけです。

 

最初は毎回、教室に入る時と出る時にクラスメイトからの視線が非常に気に

なっていました。それなら、皆と同じように、朝から授業に参加できたら、

周りの視線を気にしなくていいのになぁって思った記憶があります。

 

更に、多分、自分がクラスに入る前に先生が
 
『アイツが来ても、極々、普通に接してね。茶化さないようにね』
 
みたいなことは

クラスメイトには言っていてくれたんだと思います。

 

それで、クラスも部活も、皆が変に気を遣うことなく接してくれたので

それが、ありがたかったですね。 

 

 友人たちは不登校である僕を茶化すこともなく、また休んだとしても

 敢えて心配をせずに、現状を見守りながら、以前と変わらず接してくれたのが

 大きいです。それで、ちょっとずつ教室に居られる時間が増えました」
 
 
    ↑ やっぱ男は唐揚げらしい(困ったら唐揚げ与えてね、ママ)

 

りんこ「高校に入って、その後、皆勤したじゃない? どんな切り替え?」

 

彼「高校に上がるタイミングで自分の中で『今までのようなのは嫌だ』って
  
  思ったんです。

  高校ではクラス替えもあり、自分が不登校だということを知らない人が増えた

  環境でなら、周りの目を気にせずに出席できるのでは?と思いました。

  『負けたくない』って気持ちがすべての物事への

  原動力だったように思えます」

 

りんこ「で、高校に進学する段階で、自ら、担任の先生をチェンジすることを

    決断したじゃない? 『高校では新たな気持ちで頑張る』って決意を

    示していたと先生方はおっしゃるんだけど、その時に気持ちを教えて」

 

彼「不登校の時には、いつかはまた以前のように、普通の学校生活を送りたいって

  思っていました。それに戻るチャンスは、時期的に年に一回の

  クラス替えしかないと考えていて、中3の後半では部活にも参加でき、

  授業にもある程度は出られるようになっていたので、

  体力的・精神的な面ではクラスに戻るのに問題はないだろうと

  自分で判断していました。

  
  高校に入ったら、今までの弱い部分を克服するためにも、
 
  新たな気持ちになりたいって思った記憶があります」

 

りんこ「それで、そのまま高校へ上がってから、出席も完ぺきで友人関係も

       良好、メンタルも上向きって先生の評があるんだけど、

       今、現役東京外大じゃない? 

       なんで外大に行こうと思ったの?」

 

彼「もともと、小さな頃から、外国語とか海外に興味があったんです。

  文系に進路を選択して、国際系や文学部系がいいかなって思っていたんですが

  たまたま、高2の時にYouTubeでウズベキスタンの国民的歌姫である

  Shahzodaさんの歌声を聴いたんです。すごく惹かれたんですが、

  その時、世界史の授業でも中央アジアの多様な歴史を学んでいたので、

  それで、すごく興味が湧いてきました。


https://www.youtube.com/watch?v=Mzv2eNialm8

 ↑ Shahzodaさんのプロモビデオ
 

  大学で外国語を専門的に勉強するなら、せっかくなら世間では

  学ぶ機会の少ない言語をみっちり学んでみたいと考えていました。

  そこで、日本ではあまり知られていないウズベキスタンをはじめとする

  中央アジア地域の専攻がある外大に入って、ウズベキ語を勉強して、
 
  ウズベキスタンに留学しようと決めました」

   
りんこ「オバサン(りんこ)が驚いているのは、それで現在、
 
    英語・ロシア語・ウズベク語 に堪能ってところなんだけど(笑)

    ウズベキスタンで1年間、外大から留学したじゃない?

    あっちでの出来事を教えて」

 

彼「あっちでは、現地の学生寮にいたんですが、洗濯機なし、
 
  キッチンが機能をなさない、

  暖房が弱いという現地でしか味わえない生活をしていました。

 
  現地で暮らす中で、同年代の学生や大学の先生をはじめ、商魂溢れる

  バザールの商人や、敬虔なイスラム教徒の人々、

  旅先の砂漠で出会った現在も遊牧生活を送っている人々など、

  ウズベキスタンという国に住む多種多様な人々に
   出会うことが出来ました。


  
 
  留学を通して、価値観や文化の違いを認識して、
 
  東京でいち日本人として暮らしてきた自分の視野が狭いことを
 
  思い知らされました。

  実際に現地で暮らしてみなければわからない事柄を沢山学ぶことができ、

  非常に大きな刺激となりました」


  

りんこ「で、夢が叶ったことがあるんだよね?」

 

彼「そうなんです。絶対に会うことなど叶わない、雲の上のスターである

  Shahzodaさんに会って、話をすることが出来たんです。

  やっぱり、それは願えば叶うんだなって強烈に思いました。

  ウズベキスタンに行って良かったです(笑)」
 
 
          ↑男子校フェスタ初代 鉄道クイズ王の生徒さん

 

りんこ「将来の夢を聞かせてもらえる?」

 

彼「あらゆる差別をなくしたいなって考えているのですが、とりあえず

    間近に迫った就活があるので、語学を生かせる仕事がしたいです。

    でも、就活は甘くないだろうなと(笑)

 

   今は『一度、生まれて来た以上、楽しい人生を送りたい』と考えています。

   不登校の時は、毎日が辛く、生きるのが精一杯でした。

   でも、不登校を乗り越えた今、自分の人生は自分だけのものだと

   強く感じていて

   だからこそ、自分でより良い人生を探っていきたいです」

 

りんこ「突然、スイッチが入った感じがして、羨ましい(笑)

    今、勉強ってものをどんな風に捉えてる?」

 

彼「自分は『勉強する』って『好奇心』から生まれるように思います。

  自分の場合だけですが『英語を学びたい』『外大に行きたい』っていう思いと

  『今までの遅れを取り戻したい』『負けたくない』って気持ちがありました。

  
  高校1年生の時からは、不登校の時には精神的・肉体的に行う余裕のなかった

  勉強を軽い気持ちで頑張ってみた結果、次第に “知る楽しみ”

  “テストで点数が取れる楽しみ” を感じられるようになりました。

  それが、すごく大きかったように思います。

 

 外大に入れて留学できたというのは、勉強をしたおかげだとは思うのですが

 それだけじゃなく、高校での勉強を通して、知識や頑張る力を得たことで

 自分の可能性を広げることができたと実感しています。

 

りんこ「不登校で追い詰められている人たちにアドバイスがあるとしたら、何?」

 

彼「自分は正直、なんで不登校になったか、そこからどうやって脱出できたかは

  はっきりと言葉で表せないです。ただ、ひとつ言えるとしたら、周りの大人が

  (家族、先生、カウンセラー)が自分を受け入れて、守ってくれたことが

  自分の場合はですけど、唯一の解決法だったと思います。

  自分が頑張って抜け出したって意識はなく、そういうサポートで気が付いたら

  自然と行けるようになっていたというのが正しいです」

 

りんこ「最後に、高輪の先生に言われたことで、忘れられない一言が

    あったら教えて」

 

彼「部活の顧問の先生の 『オマエはオマエのままでいいんだよ

  っていう言葉です。

  高1の時、人と比べて、上達しない自分に悩んでいて、

  相談した時にかけて頂いた言葉です」


     
              ↑ 高輪学園のグラウンド
 

彼はこの他にも、ウズベキスタンで感じたこと、大学での出来事を

生き生きと語ってくれたんだけど、彼と話していたら


「今、自分がいる空間はとてつもなく閉鎖的で、

壁があるように誰しも感じてしまうけど

自分の気持ちひとつで、いつでも、どこにでも成長していけるんだな」って

素直に思えて、私にとって、すごくありがたい時間になったんだよね~。

 

それで、学校にね、この飲み会の報告がてら、この彼の当時の担任の

先生に話を聞いてみたの。

そしたら、こんなことをおっしゃる。

 

「彼が中33学期に冗談のつもりで『(高校では)別の担任の先生にも

挑戦してみる?』って聞いたら、まさかの『ハイ!』って(笑)

ちょっとショックでした(笑)。

 

僕は彼が高校に進学できたことが嬉しくて『あまり無理しないで大丈夫

だからな!』って声掛けをしてたんです。


そして高1の新担任も 『苦しくなったら、1日休んでも大丈夫だよ!』って

言ってたようですが、彼は

『一度、休むとまた続いちゃうから、絶対、休まない!』

って、同じことを我々、教員に言うんですよ。


実際、高1・高2は皆勤だったんです。

結局、彼は結構、自分に厳しくて、我々、教員の方が甘いような…(笑)

 

僕が教室に連れ戻した方法ですか?いや、特別なことは何もしていません。


彼がまだ殆ど登校できなかった中3になる前の春休みに

『中3の定期考査で点数が取れるように、中2までの英語の復習を5日間やろう!』

と声掛けしたら、5日間とも来ることが出来て、その後、中3になってから、

少しずつ教室に来れるようになったと記憶しています。


数学の先生も同じ学年の教員なので、協力してもらいました♪

 

取り立てて、教員団がどうこうしたわけではなく、まあ、自然に…って感じです」

 

彼も先生方も同じことをおっしゃるので、りんこは爆笑してしまったんだが

その言葉がこれだ。

 

「何分にも記憶が曖昧で…。こんなんで申し訳ない!」

 

「テキトーかっ!?」って突っ込みたくなるけど(笑)

「高輪での当たり前のことを当たり前に、誠実にやった」

ってことだよね。

 

アタシが「この温泉、いいでしょ?」って理由がわかってもらえると嬉しいな。

 

 

追記:この不登校を見事に克服したOBは先日、就活生が選ぶ人気ランキング

   上位の企業に無事、内定をゲットしましたよ~!頑張れ、高輪OBたち!
 
 
 
 
 


数字で見る高輪学園


 
 
教育理念 新しい社会の進展に対応し、自らの意志で生涯に渡り
       真理・価値・生きがいを探究し、大きな隣人愛をもって
   自己の実現と社会の発展に尽くしていく人間を育てます
 
教育方針  1 学習意欲の向上と学力の向上
        2 能力・適性・進路に応じた適確な進路相談
        3 規律・公衆道徳の尊重と実践する習慣の養成
        4 個別相談等を通して、それに対応する生徒指導
 
男子校 (創立133年目)     完全中高一貫校
 
入試日 21日(49) 22日(54) 24日(54
 22日午後算数入試(60)( )内 日能研偏差値(2018 5/17発行R4

面接 なし
宗教 なし
6日制 3学期制 土曜日は午前中4時間

アクセス  都営地下鉄浅草線・京急「泉岳寺駅」下車 徒歩3
      南北線・三田線「白金高輪駅」下車 徒歩5
 
生徒総数 1395
中学 719名(40名前後×6クラス)
高校 676名(高1 38名前後×6クラス

   高2 文系36名前後×3クラス・理系40名×3クラス
   高3 私文32名×2クラス・国文41名×1クラス・理系38名前後×3クラス)
 
教員数 専任教諭 72名(男性66名 女性6名←英2・国・司書・養護2
    専任助手 3名 (男性1名 女性2名)
    非常勤講師 18名(男性15名 女性3名)
    カウンセラー2名(週2日)
    ネイティブ 2
専任教師年齢層
0代 13.8% 50代 19.4% 40代 27.8% 30代 31.9%  20代 6.9

学食あり 購買あり
携帯 持ち込みOK、電源OFF(違反者は一時預かり→保護者返却)

習熟度クラス あり 
         
       高校2年の数学を文系・理系共に3クラスを3段階に分ける

選抜クラス あり 中3・高1で上位80名程度を2クラスに分ける
      高2で文系1、理系1の選抜クラス
      高3で理系1の選抜クラス(文系は私立・国立、理系は全て国立)


中学からの他高校進学者数とその理由(20184月)
・・・他高校を選ぶと高輪には戻れないシステム
5名 〔内訳:他校進学希望(2) 不登校(2) 成績不振(1)


不登校(含む気味)中1 0名  中2 2名  中3 4名
         高1 1名  高2 2名  高3 0名

通塾率(含む予備校単科) 中学生20~30%
             高1 約30% 高2 約50% 高3 約80

補習・講習  指名補習(中学・・・考査・学期末の成績)
       補習(小テスト・朝テスト)※英数国の先生はかなりしつこい
       講習(夏・冬・日常)
 
大学進学実績(20183月卒業生211名)
注:実際の進学先であって、合格先ではない
主な進学先

 国公立大:京都大1,一橋大1,東工大1,学芸大1,千葉大2,首都大3 
 私立大:早稲田12, 慶應9, 上智7, 東京理9
明治8, 青学4, 立教4, 中央6, 法政7, 学習院1 など
 
国公立大13名(6.2%)
早慶上理37名(17.5%)
GMARCH 30名(14.2%)
その他私大46名(21.8%)
海外大学  0名( 0%)
専門学校 1名(0.5%)
就職   0名( 0%)

浪人  84名(39.8%)
 
GMARCH以上進学率 37.9
 
大学受験校数平均 9.5校(センター利用含む)
 
進学先  内訳  医学部医学科 1名  理学工学科 61名 宇宙工学科 0
     薬学 0名  農学・獣医 1名  歯学 1
 
         人文科学 20名 文理融合(情報・ネットワーク理論)3
         社会科学 40名(内 法 9名、経済・経営 27名、商 4名)
 
推薦者内訳  学校指定校推薦 19
       AO 3名  一般推薦 0名  自己推薦 0名  公募 4名 
 
 
《参考》
     医・歯・薬学系 1.6% 
経済・経営・商・社会学系 23.0
     文・教育・語学系 17.5
     法・政治学系 10.3
     工・理工学系 29.4
     理・農・生命・環境・総合科学系 18.3
  

 
 
 
 

コメント

  1. キバナコスモス2018年7月19日 9:47

    りんこさん、初めまして。
    数年前、学校説明会に行って、「ここだ!」と思い帰宅後ネット検索。
    りんこさんの旧学校探訪記の高輪学園を見て、間違いないと確信しました。

    私は、坂本校長先生のにこやかなお顔と「男子の育て方はお任せください!」「安心して通える学校です」で決めました。
    中学生になったら、手を放してくださいとも言われ、危なっかしいですが手を放したまま数年がたちました。大きな問題はなさそうです。

    りんこさんの存在を知り、図書館で本を借りまくり(購入でなくてごめんなさい)、隠していたはずの本を息子が盗み読みしていました。
    「りんこ」「たこ太」と呼び捨てにし、今でもたまに読みたいなぁなどと言っています。

    白金にありながら、結構地味で、学費も良心的な学校です。

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  2. こんな長文をお読みくださり、コメントまでお寄せ頂きありがとう
    ございます!

    在校生母でいらっしゃるのですね?
    外から見ていても、良い学校だなぁって思うので
    本当の空気を吸えている方々には特別な味わいがあるだろうと
    想像しています。

    先生方の感じも、生徒さんたちの穏やかさもホント、いいですよね。

    拙書、お読みいただきありがとうございます。
    あはは、若い子に呼び捨てにされるのは本当に光栄です。

    息子さんもママも、素敵な学園生活、お過ごしくださいね。

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    1. キバナコスモス2018年7月22日 11:35

      はい、在校生の母です。
      ガツガツしていないのが、良かったのかな。
      温泉と言われても、全然、気になりません。

      卒業生のお話、学校の対応やクラスの雰囲気がよくわかりますね。
      学校に行けなくなったことはつらいことですが、時間をかけて、戻ろうとしたときの受け入れは、暖かいんだろうなと想像できます。

      りんこさ~ん、男子の受験は本当に・・・お前はバカか!と苦労しましたが、高輪に合格できて、結果オーライです!
      実は、高輪の過去問、難しいんです。(もちろん、余裕の方もいらっしゃいますが)
      模試で安全校となっていても、油断できませんので、お気を付けください。

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    2. おお!再びのコメントありがとうございます

      この卒業生、すっごくいい子なの!
      高輪の子たちはすれてないと言うのか、ずるさがないので

      社会に出てからも、すごく信用されると思うなぁ。

      意外と「ない」学校だよね。

      母も学園生活、楽しんでくださいね。

      過去問アドバイスもありがとう!
      私、見たけど、合格点には私は及びそうもなかったわ~。
      がんばれ、受験生!!

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